◆防寒対策は万全に
汗をかいて体温を調整するひとと違って、犬や猫は呼吸によって体温を調整します。そのため、寒いからといって厚着をさせたり、部屋の温度を上げすぎると呼吸器への負担が増します。特に空気が乾燥していますので、呼吸器への負担は呼吸器系の疾患、猫ならウイルス性鼻気管炎やカリシウィルス感染症(いわゆる猫カゼ)、犬なら気管・気管支の炎症を起こしやすくなります。寒さへの対策より,
ひとのインフルエンザと同様に部屋の湿度に注意することで呼吸器系疾患の発生を防ぐことができます。
寒さに対しては、急激な温度差に注意してください。温かい室内から急に外に出ると呼吸器のみならず心臓にも負担になり、中には寒冷ショックを起こして命の危険にさらされる場合があります。散歩や外出の際は急に外に出ず、玄関などで少し寒さに慣らすようにしてください。
◆暴飲・暴食は謹んで
年末年始はひとも暴飲・暴食しがちですが、ペットも一緒になって普段とは異なる食べものや量をあげてしまいがちです。与えられれば喜んで食べてしまいますので、ペットの暴飲・暴食には飼主が注意しなければなりません。
特に注意しなければならないのは毒になる食べ物です。例えば、チョコレートは小型犬の場合板チョコの一かけらでも重篤な状態になることがあります。トリの骨は毒にはなりませんが、消化される前に割れやすく胃腸を傷つける可能性が大です。セキセイインコはアボガドを与えると中毒を起こします。この時期ポピュラーなポインセチヤやシクラメンも食べると毒になるので、猫を飼っていらっしゃる方は注意してください。
ペットと街のミニコミ誌『微吟(びぎん)』(都筑センター北・南版)に「岩尾せんせいのアニマルクリニック」寄稿中。上記は1月号から抜粋。
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